この記事はエアコンの『暖房代』についての記事になります。エアコン『冷房代』については下記の記事へどうぞ。
灯油代の高騰やエアコンの省エネ性能向上などから、暖房はエアコンが安いという話もあるけど本当?と気になっている人も多いのではないでしょうか。
冷房よりも暖房の方が電気代は高くなるため、メイン暖房をエアコンに切り替えるのは心配になりますよね。
そこで本当にエアコンの電気代は暖房利用でも安いのか?を調べるため、具体的にエアコン(暖房時)の電気代を計算をしてみました。
エアコン(暖房)の電気代を計算するにあたっての算出条件
エアコンの電気代を計算するのに『省エネ性能カタログ(2017年冬版)「エアコン 冷房能力3.6kW(8 ~ 12畳)」』の平均値のデータを参考にしました。
【算出条件】
外気温度 東京をモデルとしています 暖房期間 5.5ヶ月(10月28日~ 4月14日)(169日) 設定温度 暖房時:20℃ 時間 6:00 ~ 24:00の18時間 住宅 平均的な木造住宅(南向き) 部屋の広さ 機種に見合った広さの部屋
※冷房能力3.6kWの場合は12畳【暖房期間消費電力量】
- 暖房期間消費電力量:929kWh
※冷房能力3.6kWエアコンの平均値
※暖房期間5.5ヶ月間(10月28日~4月14日)の消費電力量(kWh)です。※省エネ性能カタログ(2017年冬版)を参照【電気料金】
- 1kWh=27円(税込)
(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)
2022年7月22日から電力料金の目安単価が『27円/kWh(税込)から31円/kWh(税込)に改定』されています。
この記事はそれ以前に書いたため、改定前の料金で計算しています。
エアコン(暖房)にかかる電気代を計算
データ下でのエアコンの電気代
エアコンのランニングコストの目安として利用される『暖房期間消費電力量』を元に、エアコンの電気代を計算していきます。
- 暖房期間消費電力量:929kWh
- エアコン使用時間:18時間
- 電気料金:27円/1kWh
暖房期間消費電力量は暖房期間5.5か月(169日)間の総消費電力量となるので、まずは暖房期間合計の電気代を算出します。
暖房期間5.5カ月(169日)の電気代
929kWh×27円=25083円
次に1か月(30日)、1日、1時間のエアコンの電気代を算出します。
1か月(30日)の電気代
25083円÷169日×30日=約4452.6円
1日の電気代
25083円÷169日=約148.42円
1時間の電気代
148.42円÷18時間=約8.25円
暖房の場合はもう少し高くなるのでは?と思っていたので「暖房でもエアコンの電気代は意外と安い!」と感じました
実際の使用状況に近い条件でのエアコンの電気代を計算
先ほどの計算はエアコンの利用期間10月28日~4月14日の5.5か月(169日間)・1日の稼働時間が18時間でした。
私が住む神奈川県では毎日暖房を使うことになるのは12月~2月、11月・3月は暖かい日もあるので暖房を使わない日も混在すると思われます。
また稼働時間も毎日1日18時間ですが、仕事や外出などで家を空けたりエアコンを使用しない時間もあります。
そこで新しく算出条件を下記の様に定め計算をしてみました。
- 暖房期間:120日間
(12月~2月は毎日+3月・11月は半月程利用と考える) - 1日のエアコン使用時間:8時間
新条件下のエアコン電気代を計算
※計算上の電気代『1時間あたりの電気代:約8.25円』を使用して計算。
1日あたりの電気代
約8.25円/h×8時間=約66円
1か月(30日)あたりの電気代
約66円×30日=約1980円
暖房期間4カ月(120日)の電気代
約66円×120日=約7920円
計算上は電気代が思ったよりも安いけど、実際の電気代も同じなのかな?
我が家の場合で計算上と実際の電気代にどれだけ差があるのか検証
我が家で利用しているエアコンの計算上の電気代と、エアコンを利用して値上がりした電気代を比較して検証してみようと思います。
正確な数値は出せませんが、比較のために石油ファンヒーターをメインに使っていた年と、エアコンをメインに使っていた年を比べてみました。
エアコンの電気代を計算するにあたっての算出条件
エアコン機種仕様
- 機種:ダイキン(AN40PEP-W)/2013年製
- 冷房能力:4.0kW(11~17畳目安)
- 暖房期間消費電力量:1300kWh
算出条件
- 外気温:神奈川県
- 設定温度:自動運転利用・暖房運転時は20℃
- 住宅:2000年代築の平均的な木造住宅(東南~南向き)
- 部屋の広さ:12畳
※暖房畳数目安11~14畳で購入を決めたため、冷房能力は部屋に対して大きめ
エアコン使用状況
- 1日のエアコン使用時間:8時間
計算上のわが家のエアコン電気代
まずは暖房期間消費電力量から1時間あたりの電気代を求めていきます。
暖房期間5.5カ月(169日)
1300kWh×27円=35100円
1日(18時間)
35100円÷169日=約207.69円
1時間
207.69円÷18時間=約11.54円
次に実際に利用しているエアコンの使用時間、1日8時間使用の条件でエアコンの電気代を求めます。
1日(8時間)
11.54円×8時間=約92.32円
1か月(30日)
92.32円×30日=約2769.6円
※暖房期間の電気代はエアコンを使う日と使わない日が混在し、実際の使用日数が定かではないため算出しないこととしました。
実際の電気代からわが家のエアコン電気代を計算(目安)
計算上と違い外気温・在宅状況などで使用状況にムラがあると思いますが、ほぼ毎日暖房を使っている可能性が高い1月分の電気代で比較しました。
実際に支払った電気代(2016年~2019年)
- 2016年1月分(12月18日~1月19日):5241円
- 2017年1月分(12月20日~1月21日):5005円
- 2018年1月分(12月20日~1月21日):6193円
- 2019年1月分(12月20日~1月21日):9052円
エアコンなど季節家電を使わない月の電気代が毎年5000円~6000円ほどなので、2016年~2018年は暖房による電気代の影響はほぼなかったと思われます。
エアコンを利用していなかった2016年~2018年の
暖房にエアコンを使うようになって上がった電気代分を計算
石油ファンヒーターをメインで使っていた年の電気代の平均と、エアコンをメインで使い始めてからの電気代の差額を計算していきます。
エアコンを利用していない年
1日
(5241円+5005円+6193円)÷99日=約166.05円
1か月(30日)
約166.05円×30日=約4981.5円
エアコンを利用していた年
1日
9052円÷33日間=約274.30円
1か月(30日)
約274.30円×30日=約8229円
エアコンをメインで利用していた月としていない月の1か月(30日)の電気代の差額
約8229円-約4981.5円=約3247.5円
電気代の差額からエアコンの電気代を計算
エアコンを使用していた年と使用していなかった年の電気代の差額を、エアコンを使用した分の電気代として計算をしていきたいと思います。
1か月(30日)
- 約3247.5円
1日(8時間)
約3247.5円÷30日=約108.25円
1時間
約108.25円÷8時間=約13.53円
計算上の電気代と実際の電気代を比較
1時間
- 計算上:約11.54円
- 実際 :約13.53円
1日(8時間)
- 計算上:約92.32円
- 実際 :約108.25円
1か月(30日)
- 計算上:約2769.6円
- 実際 :約3247.5円
実際の電気代はエアコン稼働時間が不明なためおおよその数値ですが、30日あたりの誤差は約500円という結果になりました。
エアコン自体の劣化やフィルターの手入れの問題などで、実際の電気代の方が計算上の電気代よりも高くなるとは思いますが、計算上の電気代より大幅に電気代がUPしてしまうことは少なそうです
一工夫で高くなりがちなエアコンの電気代を節約!
エアコンの電気代は思ったよりもかからないことは分かりましたが、少しでも節約をして電気代を抑えたいですよね。
エアコンの設定温度は1℃下げると電気代が約10%節約になるとされているそうです。1か月約3000円のエアコン電気代がかかっているとしたら約300円の節約になりますよ。
防寒対策をしっかりして電気代を節約
まずは設定温度を低くしても暖かく過ごせるように、しっかり防寒対策をするのがオススメです
下の記事で紹介している防寒対策で、寒がり&冷え性な私も昼間の暖かい時間帯なら真冬でもエアコンなしで過ごせています。
補助暖房を併用して電気代を節約
電気代の安い暖房器具を補助暖房として利用することで、エアコンの設定温度が低くても暖かく過ごすことが出来ますよ。
私のおすすめNo1補助暖房は「折りたたみタイプのパネルヒーター」です!
電気代が安いのはもちろん、こたつのように使えて暖かい・収納場所を取らないなど、使い勝手が良い点が気に入っています。
元々PC作業用に使っていましたが思った以上に良かったため、ダイニングテーブルの足元の寒さ対策用にも追加で購入しました。
詳細は別記事で紹介しているので、ぜひそちらの記事も参考にしてみて下さいね。
暖かい空気を撹拌して電気代を節約
暖かい空気は冷たい空気よりも軽く上(天井)へ移動していくので、冬は天井付近が暖かく足元が寒くなります。
天井付近に溜まっている暖かい空気と、床付近の冷たい空気を強制的に循環させることで効率よく室内を暖めることが出来ます。
また、空気の寒暖差が少なくなることで体感的にも暖かく感じますよ。
わが家はシーリングファンライトを利用して空気の撹拌をしています。
ファンの風の向きを下方向にすると風が当たり寒いですが、冬のおすすめの風向きと言われる上方向なら風は当たりません。
エアコンから離れた部屋の端に置いた温度計で、ファンありなしでの温度差が大体2~3℃あるため、かなり効果があると思われます。
実際の体感でもファンを回している方が部屋全体が暖かく感じますよ。
シーリングファンライトにするのは難しい場合は、サーキュレーターがおすすめです。
室内干しの洗濯物を乾かしたり、夏場に室内の暑い空気を強制的に外に出すのに利用したりと、1年中活躍してくれるので1台あると便利ですよ。
ルーバーは下向きに
エアコンの吹き出し口のルーバーは、下向きにして足元に暖かい空気が流れるようにした方が効率よく部屋が暖まります。
ただ、この方法はエアコン直下に風が当たっても問題ない家具の配置などの場合です。
我が家はエアコンの吹き出し口正面にダイニングテーブルがあるので、風が当たらないようにするとルーバーは45度くらいまでしか下に向けられません。
ルーバーを下向きにしていてもエアコンから離れた場所などは、天井付近に暖かい空気が溜まりがちなので前述の空気を攪拌するものを併用するのがおすすめです。