暖房代が安いと言われていた『石油ファンヒーター』、近年では暖房代が意外と安いと言われている『エアコン』。実際にどちらが安いのか?気になりますよね。
そこで、石油ファンヒーターとエアコンの暖房代がいくらになるのかを別記事で計算してみました!
結果、計算上では「エアコンの方が暖房代が安くなる」ということが判明!
翌年からわが家はメイン暖房を石油ファンヒーターからエアコンに切り替えてみました
石油ファンヒーターとエアコンの暖房代の差額、わが家の実際の暖房代と比較して計算上と大きく相違がないのか、などを計算してみました。
メイン暖房に石油ファンヒーターとエアコンのどちらを使うか悩んでいる方は参考にしてみて下さい。
暖房代の比較に利用したデータ
石油ファンヒーター・エアコンの共通の算出条件は下記の通り。
- 暖房使用時間:1日8時間
- 暖房使用期間:120日間
- 電気料金:1kWh=27円(税込)
※新電力料金目安単価 - 灯油代:90円/ℓ
※2017年時点の参考金額
石油ファンヒーターの暖房代
計算に用いた機種:コロナ【FH-ST4618BY】(木造:12畳まで)
別記事『石油ファンヒーターは本当に安い?電気代&灯油代にかかる金額を計算してみました』で石油ファンヒーターの暖房代を計算した結果が次の通り。
※電気代+灯油代=暖房代として計算
節約機能を使用しない場合
- 1日(8時間):約190.7円
- 1か月(30日):約5721.6円
- 暖房使用期間(120日):約22886.2円
節約機能を(ecoモード)使用した場合
- 1日(8時間):約109.5円
- 1か月(30日):約3284.4円
- 暖房使用期間(120日):約13137.8円
エアコンの暖房代
- 計算に用いたデータ:
省エネ性能カタログ(2017年冬版)「エアコン 冷房能力3.6kW(8 ~ 12畳)」
別記事『エアコンの電気代は冬でも本当に省エネ?暖房代を計算してみました』でエアコンの暖房代を計算した結果が次の通り。
- 1日(8時間):約66円
- 1か月(30日):約1980円
- 暖房使用期間(120日):約7920円
石油ファンヒーターとエアコンの暖房代の比較
暖房代はエアコンの方が安いという結果に!
1日 (8時間) | 1か月 (30日) | 暖房使用期間 (120日) | |
石油ファンヒーター(通常モード) | 約190.7円 | 約5721.6円 | 約22886.2円 |
石油ファンヒーター(ecoモード) | 約109.5円 | 約3284.4円 | 約13137.8円 |
エアコン | 約66円 | 約1980円 | 約7920円 |
カタログ値などを参考にした計算上では、石油ファンヒーターの節約機能を使っても石油ファンヒーターとエアコンの暖房代は約1.7倍の差がある計算になりました!
ただ、この結果はあくまで計算上の結果。計算上と実際の暖房代がかけ離れていたら、この結果は意味ないけど。
実際はどうなのだろう?
使っている機種で計算上の暖房代と実際の暖房代を算出
計算上と実際の暖房代の金額に差はないのか、実際に使用しているエアコン・石油ファンヒーターで計算して比べてみました。
石油ファンヒーター・エアコンの共通の算出条件は下記の通りとしています。
- 暖房使用時間:1日8時間
- 電気料金:1kWh=27円(税込)
※新電力料金目安単価 - 灯油代:90円/ℓ
※2017年時点の参考金額
結果のみ見たい場合はこちらから→結果にジャンプする
石油ファンヒーター
コロナ(木造12畳/コンクリート17畳)2006年製
- 消費電力(50/60HZ)
- 点火時:650/650W(0.65kWh)
※点火時間:164秒(実測値) - 燃焼時(強):24/24W(0.024kWh)
(弱):10/10W(0.01kWh) - 燃料消費量(最大):0.449ℓ/h
(最小):0.086ℓ/h
ecoモード(最大火力を60%に抑えた)時
- 燃焼時(強):0.024kWh×60%=0.0144kWh
- 燃料消費量(最大):0.449ℓ/h×60%=0.2694ℓ/h
エアコン
ダイキン(11畳~17畳)2013年製
- 暖房期間消費電力量:1117kWh
計算上の石油ファンヒーターの暖房代
わが家では真冬でもecoモードを常にONにしているので、ecoモードの場合の暖房代を計算します。
また、ある程度部屋が暖まるとしばらくは弱運転で稼働している印象なので、火力の強弱それぞれの燃焼時間は強3時間・弱5時間で計算しました。
点火時の電気代
- 点火時消費電力0.65kWh×点火時間約0.046/h×27円=約0.8円
1時間あたりの電気代
- 燃焼(強):0.0144kWh×27円=0.3888円
- 燃焼(弱):0.01Wh×27円 =0.27円
1時間あたりの灯油代
- 燃料消費量(最大)0.2694ℓ/h×90円/ℓ=24.246円
- 燃料消費量(最小):0.086ℓ×90円/ℓ=7.74円
灯油使用量
- 1日
最大0.2694ℓ×3時間+最小0.086ℓ×5時間=1.2382ℓ - 1か月
1.2382ℓ/日×30日=37.146ℓ
計算上の石油ファンヒーターの暖房代
- 1日(8時間):約114.7円
- 燃焼(強)
(電気代0.3888円+灯油代24.246円)×3時間=約73.9円 - 燃焼(弱)
(電気代0.27円+灯油代7.74円)×5時間=約40円 - 点火1回:約0.8円
- 燃焼(強)
- 1か月(30日):約3441円
計算上のエアコンの暖房代
我が家のエアコンの暖房代は別記事『エアコンの電気代は冬でも本当に省エネ?暖房代を計算してみました』で計算しているので、その数値を利用しました。
計算上の石油ファンヒーターの暖房代
- 1日(8時間):約92.3円
- 1か月(30日):約2769円
実際の石油ファンヒーターの暖房代
石油ファンヒーターの電気代は実際の電気代から求めることが出来ないほどの金額なので、計算上の数値を使用。灯油代は計算上に合わせて90円/ℓとします。
2017~18年冬の灯油購入はちょうど3週間に1度、20ℓ購入を3回でした。うち3週間で使い切っている2回分を利用して暖房代を計算します。
灯油購入2回分40ℓを42日で消費したことになりますが、うち5日間は不在だったため実際に使用した日数である37日で計算しました。
- 1日の電気代:約3.3円
- 1日の灯油消費量:約1.1ℓ
- 1日の暖房代:電気代約3.3+灯油代約99円=約102.3円
- 30日間の暖房代:約3069円
実際のエアコンの暖房代
わが家では2017~18年の冬までは石油ファンヒーター、2018~19年の冬からはエアコンをメイン暖房に使用しています。
その他生活スタイルや生活人数などが大きく変化したわけではないので、2018年と2019年の1月の電気料金の差額をエアコンにかかった電気代としました。
- 2018年1月の電気料金:6193円
- 2019年1月の電気料金:9052円
差額2859円(※検針期間:ともに33日間)。
ただし、検針期間33日のうち5日間は不在だったため、28日間で1日分の電気代を算出しました。
使っている機種の計算上と実際の暖房代を比較した結果
石油ファンヒーターの比較結果
1日 (8時間) | 1か月 (30日) | |
計算上の暖房代 | 約114.7円 | 約3441円 |
実際の暖房代 | 約102.3円 | 約3069円 |
差額 | 約-12.4円 | 約-372円 |
計算上よりも実際の暖房代の方が少ないという結果になりました。
わが家では温風が直接あたる距離に石油ファンヒーターを置き、極力弱運転をキープするような使用方法だったため、計算上よりも少なくなったと思われます。
上記の使用方法では部屋全体はなかなか暖まりきらないため、部屋全体を暖める場合は実際の暖房代の方が高くなる可能性がありそうです。
実際、部屋全体を暖める使い方をしていた時は、2週間もたずに灯油を購入していた記憶があります
灯油を購入するのが2週間に1度を3回だった場合はどうなるか?
- 1日の電気代:約3.3円
- 1日の灯油消費量:約1.6ℓ
- 1日の暖房代:電気代約3.3円+灯油代約144円=約147.3円
- 30日間の暖房代:約4419円
結果は計算上の暖房代よりも1か月(30日)で1000円ほど高くなるという結果に。
エアコンの比較結果
1日 (8時間) | 1か月 (30日) | |
計算上の暖房代 | 約92.3円 | 約2769円 |
実際の暖房代 | 約102.1円 | 約3063円 |
差額 | 約+9.8円 | 約+294円 |
計算上との差額は30日でも+約300円という計算通りに近い結果でした。
神奈川県は2018~19年の冬は平年よりも暖かく、平年並みだった2017~18年よりも暖房代が抑えられた可能性がありそうです。
追記:12月下旬~1月中旬まで平年よりも平均気温が低かった2021~22年と比較してみました
2021年から電気料金自体が値上がりしていて、電気料金では値上がり前と比較が出来ないため、電気使用量からおおよその金額を計算してみました。
- 2019年1月電気使用量:316kWh(検針期間33日)
- 2022年1月電気使用量:331kWh(検針期間31日)
1日あたりの電気使用量
- 2019年:約9.6kWh
- 2022年:約10.7kWh
30日あたりの電気使用量
- 2019年:約288kWh
- 2022年:約321kWh
電気使用量の差は約33kWh。約3日分の電気使用量が上乗せされているという結果になりました。
2019年と2022年が同等の寒さの冬だったら、+300円ほど余計に電気代がかかっていたかもしれません。
とはいえ、その他の家電などを考慮していないことを考えると、30日間で600円ほどの誤差であれば計算上と実際の電気代は大きく変わらないと言えそうです。
結局石油ファンヒーターとエアコンどちらを使うのが良いのか?
わが家の場合は1日(8時間)あたりの暖房代はほぼ同じという結果に
計算上ではエアコンの方が暖房代が安いという結果でしたが、わが家の場合では暖房代はほぼ同じという結果になりました。
石油ファンヒーターの実際の暖房代
- 1日(8時間):約102.3円
- 1か月 (30日):約3069円
エアコンの実際の暖房代
- 1日(8時間):約102.1円
- 1か月 (30日):約3063円
ただ、わが家の場合は石油ファンヒーターに関しては部屋全体を暖める目的ではなく、温風に当たって暖を取る使い方をしています。
上記の使い方の場合、部屋の室温自体は17℃前後を推移している印象のため、通常の使用方法の場合では計算上の結果同様に石油ファンヒーターの暖房代の方が高くなる可能性が高そうです。
朝など1~2時間だけ使用する場合は石油ファンヒーターがおすすめ
1日単位ではエアコンの方が暖房代が抑えられそうですが、1番暖房代がかかる強運転の割合が多くなる短時間の運転の場合はどうなるか、計算してみました。
時間別の電気使用量で確認してみたところ、エアコンはつけ始め1時間は0.8~1kWhほど電気を使用しているようです。
石油ファンヒーターの1時間あたりの暖房代
※火力(強)の場合で計算
- 電気代0.3888円+灯油代24.246円+点火1回約0.8円=約25.4円
エアコンの1時間あたりの電気代
- 1kWh×27円=27円
エアコンよりも石油ファンヒーターの方が暖まる早さが早いため、強運転から弱運転に移行する時間が短い場合が多いと思います。
石油ファンヒーターが30分で弱運転になった場合は1時間の暖房代
- 強:(電気代0.3888円+灯油代24.246円)×0.5/h=約12.3円
- 弱:(電気代0.27円+灯油代7.74円)×0.5/h=約4円
- 点火1回約0.8円
1時間の暖房代は約17円となり、わが家で使用している機種の場合はエアコンよりも約10円安い計算になりました。
メリット・デメリットを考慮して使い分けがおすすめ
エアコンがおすすめの場合
帰宅後~寝るまで使用や休日となると長時間運転になることが多いと思いますので、暖房代が安いエアコンがおすすめです。
また、夜間はシャッターや雨戸を閉めた後で換気しにくい、防犯上や寒くなるのが嫌などの理由で窓を開けたくない場合もエアコンがおすすめですよ。
石油ファンヒーターがおすすめの場合
- 暖まるまで早い+強運転での暖房代が安い=短時間使用に最適
- 長時間運転で暖房代が高い+定期的な換気が必要=長時間使用に向かない
朝や帰宅後など部屋も冷え切っていて早く暖を取りたい場合は、暖かい風に当たれて部屋も一気に暖めてくれる石油ファンヒーターがおすすめです。
特に朝はエアコンだと部屋全体が暖まる前に出掛ける(切る)場合も多く、石油ファンヒーターの方が暖房代が安く済む可能性が高いですよ。
ある程度部屋が暖まるまで石油ファンヒーター、暖かくなってきたらエアコンに切り替えるのも良さそうですね
暖房代をさらに節約するのにオススメ
補助暖房を併用して暖房代を節約
電気代の安い補助暖房を併用して設定温度を下げれば、暖房代の節約になりますよ。
防寒対策をして暖房代を節約
部屋と自分の防寒対策をして、必要以上に暖房代がかさんでしまうのを防げば節約になりますよ。