最近は5月から真夏日と呼ばれる暑い日が続く事がありますね。夏本番になると35℃以上の猛暑日になることも。
小さい子やペットがいる家庭では熱中症の予防などで早めにエアコンを稼働することも多いと思います。
そこで気になるのが『エアコンの冷房代』です。エアコンを夏前から稼働させると電気代が1シーズンで結構かかるのでは?と心配ですよね。
そこで、冷房時のエアコンの電気代はどのくらいなのか?具体的に計算をしてみました。
※この記事はエアコンの『冷房代』についての記事です。エアコンの『暖房代』について知りたい場合はこちらの記事へどうぞ↓↓
エアコン(冷房)の電気代を計算するにあたっての算出条件
エアコンの電気代を計算するのに『経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ(2017年夏版)「エアコン 冷房能力3.6kW(10~15畳)」』のデータを参考に計算しました。
【算出条件】
外気温度 東京をモデルとしています 冷房期間 3.6 ヶ月(6月2日~ 9月21日)(112日) 設定温度 冷房時:27℃ 時間 6:00 ~ 24:00の18時間 住宅 平均的な木造住宅(南向き) 部屋の広さ 機種に見合った広さの部屋
※冷房能力3.6kWの場合は12畳【電気料金】
- 1kWh=27円(税込)
(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)【冷房期間消費電力量】
※冷房能力3.6kWエアコンの平均値
- 冷房期間消費電力量:332kWh
※冷房期間消費電力:上記、算出条件下の冷房期間3.6ヶ月間(6月2日~ 9月21日)から出された消費電力量(kWh)(試算値)のこと。※省エネ性能カタログ(2017年夏版)を参照
エアコン(冷房)にかかる電気代を計算してみる
『冷房期間消費電力量』を元にエアコンの電気代を計算
エアコンのランニングコストの目安として利用される『冷房期間消費電力量』を元に、エアコンの電気代を計算をしていきます。
- 冷房期間消費電力量:332kWh
- エアコン使用時間:18時間
- 電気料金:27円/h
冷房期間消費電力量というのは冷房期間3.6か月(112日)間の総消費電力量のことなので、まずはエアコン(冷房時)利用期間の総合計の電気代を算出します。
冷房期間3.6カ月(112日)の電気代
332kWh×27円=8964円
期間総合計の電気代を利用して各期間(時間)ごとのエアコンの電気代を算出していきたいと思います。
1か月(30日)あたりの電気代
8964円÷112日×30日=2401.07…円
1日あたりの電気代
8964円÷112日=80.03…円
1時間あたりの電気代
80円÷18時間=4.44…円
算出条件では半日以上エアコンをつけっぱなしですが、それでもひと月の電気代が2000円台なのは思ったよりも安いと感じました
もう少し使用時間・期間が短い場合のエアコン電気代を計算
参考にしているエアコンの電気代の算出条件では、3.6カ月(6月2日~ 9月21日)・1日18時間エアコンを使用した場合となっています。
私が住んでいるのは神奈川県ですが、6月中は梅雨寒の日もありエアコンを使わない日も多いと思います。
稼働時間に関しても、仕事・外出などで家を空ける・日中以外はエアコンをつけなくても過ごせる時間帯があること等を考えると、冷房期間中、毎日18時間エアコンを連続運転する日は算出条件よりも少ないと思います。
そこで冷房期間は、気象庁のデータを参考に下記の通りに決めました。
- 東京の2015~17年の6月~9月の4か月間のデータを参考
- 冷房期間:最高気温が28℃以上の日数の平均値
- 熱帯夜 :最低気温が25℃以上の日数の平均値
エアコンの稼働時間は同じく気象庁のデータから下記の通りに決めました。
- 東京の2015~17年の6月~9月の4か月間のデータを参考
- 7時~24時までの28.0℃以上の時間の1日当たりの平均値:約10時間
※12時28.5℃ 13時27.9℃ 14時28.5℃ 等の場合は28℃未満でも換算 - 外出などでエアコンを止めている時間は1日当たり平均3時間と仮定
- 熱帯夜の日は就寝1時間前~就寝後3時間の計4時間稼働と仮定
- 冷房期間:61日間
(内、熱帯夜は18日間とする) - 1日のエアコン使用時間:7時間
(熱帯夜の日は+4時間)
新条件下のエアコンの電気代
- 1時間当たりの電気代:約4.4円
- 冷房期間:61日間
- 熱帯夜 :18日間
- 1日のエアコン使用時間:7時間
- 熱帯夜日の使用時間 :+4時間
1日あたりの電気代
約4.4円/h×7時間=約30.8円
熱帯夜分の電気代
約4.4円/h×4時間=約17.6円
1か月(30日)あたりの電気代
約30.8円×30日=約924円
冷房期間61日の電気代
約30.8円×61日=約1878.8円
熱帯夜分の電気代
約17.6円×18日間=約316.8円
「思ったよりもエアコンの電気代ってかかっていないんだな」というのが率直な感想でした。
我が家の電気代でエアコンの電気代を検証してみる
本当にエアコンの電気代はあまりかかっていないのか、我が家の月の電気代を比較して検証してみます。
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
4月 | 6300 | 4907 | 5652 | 4994 |
5月 | 4553 | 4791 | 5643 | 6474 |
6月 | 4321 | 4275 | 5100 | 5844 |
7月 | 5092 | 4478 | 5462 | 6684 |
8月 | 5091 | 5228 | 4917 | 7364 |
9月 | 4229 | 4870 | 4722 | 5992 |
10月 | 4314 | 4700 | 5054 | 5208 |
11月 | 4595 | 5771 | 5544 | 5838 |
7~9月平均 | 4804 | 4858.7 | 5033.7 | 6680 |
その他の月平均 | 4816.6 | 4888.8 | 5398.6 | 5671.6 |
冬は暖房を利用するため除外し、春・秋はエアコンなどの季節家電を利用しない時期なので比較のために入れました。
比較してみると、7月~9月のエアコンを使っている月の電気代が高いということはありませんでした。むしろ我が家の場合は夏以外の電気代の方が高いことが多いです。
2018年は唯一、夏の電気代の方が高いですが、この年は連日外気温が35度を超え災害と言われた酷暑の年です。外気温が35度以上の場合、エアコンの設定温度を30度にしても室内外の差は5度以上となるので例年よりも電気代が高くなるのは当然です。
体調を考慮し例年よりもエアコンを長い時間稼働していましたが、最高額の8月の電気代でもその他の月平均より約1700円高いだけで収まっていたので、思ったよりも電気代はかかっていない印象でした。
エアコン(冷房)の電気代を節約する方法
設定温度を1℃上げる
よく言われている節約方法ですが、エアコンの設定温度を1℃上げるだけで電気代を10%節約出来ますよ。前回の計算結果から考えると、ひとシーズンあたり約300円の節約に繋がりますね。
夏のおすすめ設定温度は28℃と言われているので、設定温度が29℃となり暑そうに感じますが、35℃以上の猛暑日と言われる日も多いので涼しく感じると思いますよ。実際、猛暑日の日は室温が30℃でも扇風機などを併用すれば十分涼しく感じました。
運転モードは『自動』にする
エアコンは部屋を冷やしている間(冷えるまでの間)が一番電気代がかかります。
『自動運転』は設定温度まで強風で一気に部屋を冷やし、冷えてからは微風などで効率良く快適な室温に自動的に保ってくれるので、冷房やドライモードで自分で設定温度を設定するよりも節電になるようです。
風量に関しては『弱』の方が電気代が節約になりそうなイメージもありますが、部屋を冷やすまでに時間がかかり結果的に電気代がかかってしまうとのことなので注意が必要です。
外気温が高い日晴れた日はエアコンはつけっぱなしに
エアコンは稼働時~部屋を冷やすまでに電気を多く消費するため、切ったり入れたりを繰り返すと電気を多く消費することになり、かえって電気代がかかってしまうと言われています。
でも、暑い期間24時間エアコンつけっぱなしにしてみたら、エアコン代(電気代)が高くなったという情報も見かけますよね。
エアコンを止めてから次にエアコンをつけるまでの時間が関係しているようです。2016年に羽鳥慎一モーニングショーで実験をしていました!
結果だけ参考にすると、外気温と設定温度に差のある晴れの日の木造住居の場合で約5時間半、曇りの日は1時間15分ほど。それよりも長い時間エアコンを止めるのであれば、つけっぱなしにするよりもエアコンを止めた方が電気代が安くなるようです。
高気密マンションの場合は日中でも約40分、夜間なら約15分との実験結果だったようです。集合住宅だと上下左右が外ではないため、家の周り全てが外と接している戸建てよりも外気や太陽光からの影響が少ないことが要因です。
室外機の周りには物を置かない・直射日光を当てない
稼働中の室外機の前に行くと室内の熱を外へ出すため熱風が出ています。
室外機を覆ったり前に物を置いてしまうと空気が循環せずに、この熱風を吸い込むことになるのでエアコン効率を下げてしまいます。また、直射日光が当たる場所に設置してしまうと室外機周りが暑くなり、同じくエアコン効率を下げてしまいます。
やむを得ず日光の当たる場所に室外機を設置する場合は、空気の循環を邪魔しないように上手く日陰を作ってあげると電気代の節約になりますよ。
低価格のものから景観を邪魔しないオシャレなものまで、種類豊富にあるので室外機に直射日光が当たっている場合は検討してみて下さいね。
冷やす部屋は出来るだけ、少なく&狭く
当然ですが冷やす範囲が少ない(狭い)方が電気代が少なくて済みます。
家族とリビングなどに集まって過ごすようにしたり、一人の時は(可能なら)より狭い部屋でエアコンをつけて過ごすようにすれば電気代が節約になります。
我が家はリビング階段のため階段から2階へ空気が移動してしまうので、階段とリビングの間に間仕切りカーテンを付けています。
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我が家はベージュを購入しましたがレースなので昼間は階段からの光が通り部屋が暗くならないのが嬉しいです。
また、レースなので布地自体に隙間があるので購入当初は「本当に空気を遮断してくれるのか?」と不安でしたが、冬も夏もしっかりと役目を果たしてくれていますよ。
窓からの熱を遮断する
太陽光が差し込む場合はカーテンを閉めるだけでも室内温度があがりにくくなり節約効果が期待できます。
我が家では夏の間のみ日除けとして付けられるよう突っ張り棒ですだれを窓枠に付けていますが、日差しが和らぎレースのカーテンのみの時よりも室内が暑くなりにくくなっていると感じました。
遮熱効果の高いカーテンやフィルムを窓に貼るとより効果的に断熱できるので、節約効果もアップしますよ。
サーキュレーターを併用で効率よく冷やす
エアコンだけの力で部屋を冷やすよりもサーキュレーターも併用し効率よく部屋全体を冷やすことで電気代の節約につながります。
上の図を参考に効率よく冷気を循環させるように設置するのがポイントで、暖房と冷房時ではサーキュレーターの風向が異なるので注意ですね。
また、サーキュレーターの起こす風が体に当たると体感温度が下がるので同じエアコン設定温度でも涼しく感じますよ。
サーキュレーターは空気の循環の他にも換気・部屋干しの洗濯物を乾かすなど1年中利用でき、扇風機と違いコンパクトで場所も取らないので1台あると便利ですよ。
持っていない場合はぜひ購入を検討してみて下さいね。
その他にも『帰宅時に室内の方が外よりも暑い場合は換気をして、熱気を外に出す』