石油ファンヒーターは電気代が安く、暖房代が安いイメージがある人もいるのではないでしょうか。
でも、2000年代後半から灯油代が上がり『灯油代を含めると暖房代はエアコンよりも高い』との話もありますよね。
石油ファンヒーターの暖房代は本当に高いの?
灯油代も含めると暖房代はいくらになるの?
気になったため、具体的に石油ファンヒーターの暖房代を計算してみました。
暖房代の計算結果の他に、石油ファンヒーターの暖房代を節約する方法も紹介しているので、参考にしてみて下さいね。
石油ファンヒーターの暖房費を計算するにあたって
我が家の石油ファンヒーターは10年以上前の古いモデルなので、2018年時点の後継モデルの数値を参考に計算をしました。
- 点火時最大:650/650W
※通常点火時間:約75秒
(室温10℃以上の場合) - 燃焼時:強:23/24W
弱:9.5/10W
燃料消費量
- 最大:0.449ℓ/h
- 最小:0.070ℓ/h
その他、暖房代算出のための条件は下記の通り。
- 電気料金:1kWh=27円(税込)
※新電力料金目安単価 - 暖房使用時間:1日8時間使用とする
※8時間の内、燃焼(強):3時間・燃焼(弱)5時間として計算 - 暖房使用期間:期間合計120日とする
- 石油ファンヒーターに搭載されている節約機能は使用しない
石油ファンヒーターにかかる暖房代を計算
まず、石油ファンヒーターにかかる電気代から計算していきたいと思います。
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石油ファンヒーターにかかる電気代を計算
石油ファンヒーターにかかる電気代は「点火時」と「燃焼時」で異なるため、別々に計算していきます。
点火時の電気代
- 点火時消費電力:0.65kWh
- 点火時間:約0.021h
- 電気料金:1kWh=27円
0.65kWh×0.021h×27円=0.36855円
燃焼時の電気代
1時間あたりの石油ファンヒーターの電気代
- 消費電力(強):0.023kWh
(弱):0.0095kWh - 電気料金:1kWh=27円
燃焼(強)
0.023kWh×27円 =0.621円
燃焼(弱)
0.0095kWh×27円=0.2565円
1日あたりの石油ファンヒーターの電気代
- 燃焼(強)
0.621円/h×3時間 =1.863円 - 燃焼(弱)
0.2565円/h×5時間=1.2825円 - 点火1回:0.36855円
1.863円+1.2825円+0.36855円=3.51405円
1か月(30日)あたりの石油ファンヒーターの電気代
- 燃焼(強)
1.863円/日×30日=55.89円 - 燃焼(弱)
1.2825円/日×30日=38.475円 - 点火30回
0.36855円×30回=11.0565円
55.89円+38.475円+11.0565円=105.4215円
暖房使用期間120日間の石油ファンヒーターの電気代
- 燃焼(強)
1.863円/日×120日=223.56円 - 燃焼(弱)
1.2825円/日×120日=153.9円 - 点火120回
0.36855円×120回=44.226円
223.56円+153.9円+44.226円=421.686円
石油ファンヒーターの電気代は、毎月の電気代に影響が出ると言うほどの金額ではなさそうですね
石油ファンヒーターにかかる灯油代を計算
次に石油ファンヒーターにかかる灯油代を計算していきます。
1ℓあたりの灯油料金は『灯油(店頭販売)販売価格情報』(※2017年時点)を参考に、90円/ℓとしました。
1時間あたりの石油ファンヒーターの灯油代
- 燃料消費量(最大):0.449ℓ/h
(最小):0.070ℓ/h
燃料消費量(最大)
0.449ℓ×90円/ℓ=40.41円
燃料消費量(最小)
0.070ℓ×90円/ℓ=6.3円
1日あたりの石油ファンヒーターの灯油代
- 燃料消費量(最大)
40.41円×3時間=121.23円 - 燃料消費量(最小)
6.3円×5時間=31.5円
121.23円+31.5円=152.73円
1か月(30日)の石油ファンヒーターの灯油代
- 燃料消費量(最大)
121.23円×30日=3636.9円 - 燃料消費量(最小)
31.5円×30日=945円
3636.9円+756円=4581.9円
暖房使用期間120日間の石油ファンヒーターの灯油代
- 燃料消費量(最大)
121.23円×120日=14547.6円 - 燃料消費量(最小)
31.5円×120日 =3780円
14547.6円+3780円=18327.6円
見落としがちですが、石油ファンヒーターにかかっている灯油代は思ったよりも高いようです
石油ファンヒーターにかかる暖房代の合計は?
電気代と灯油代を合わせた暖房代の合計は…
1日あたり
電気代3.51405円+灯油代152.73円=156.24405円
1か月(30日)あたり
電気代105.4215円+灯油代4581.9円=4687.3215円
暖房使用期間(120日)あたり
電気代421.686円+灯油代18327.6円=18749.286円
余談:灯油使用量はどのくらい?
- 1日
最大(0.449ℓ/h×3時間)+最小(0.070ℓ/h×5時間)=1.697ℓ - 1か月
1.697ℓ/日×30日=50.91ℓ
18ℓの灯油タンクの場合、1か月で50.91ℓ÷18ℓ=約2.8回分の灯油を使用している事になりますね。
また、この石油ファンヒーターのタンク容量は7.2ℓなので、1回の給油で使える日数は7.2ℓ÷1.697ℓ/日=約4.2日。4日に1度くらいのペースで給油をする事になります。
節約モードONの石油ファンヒーターの暖房代を計算
前項では『通常モードで8時間燃焼し続ける』という条件下の計算をしましたが、節約モードを使用する場合も多いと思います。
計算に使用した石油ファンヒーターも「ecoモード」という節約機能が付いているので、節約モードオン時の暖房代を計算してみました。
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ecoモードの概要
新ecoモードで節約。ワンタッチで省エネ運転
ecoモードONで1シーズン約3,900円(※1)以上お得!※すでに設定温度が20℃以下の場合は、そのままの設定温度で運転します。また、温度を下げることで削減される灯油の消費量は外気温・室温等により変動します。※1 FH-ST3618BYにおいてecoモード設定の有無にて比較。当社住環境試験室(10畳)にて室内初期温度7℃スタートとし、設定温度22℃とした場合の3時間後の灯油使用量の比較。●1シーズンの燃焼時間1,900時間、燃焼回転700回を想定。
(一般社団法人 日本ガス石油機器工業会自主基準より)
● 灯油価格85円/ℓ
(2018年1月9日 全国平均店頭価格 資源エネルギー庁発表)
わが家の石油ファンヒーターもたまに消火していますが、極力弱火力で燃え続け室温をキープしつつ節約をしている印象です。
石油ファンヒーターの置く場所・外気温など使用環境下により変わりますが、わが家の場合は消火すると1時間ほどは止まっていると思います。
ecoモードの暖房代を計算
算出条件
- 最大火力は60%に抑える
- セーブ消火:1回・1時間とする
- 8時間の内、燃焼(強):2.5時間・燃焼(弱)4.5時間として計算
※消火時間を1時間とするため
ecoモードの場合の電気代
1日(8時間)あたり
- 燃焼(強)
0.621円/h×2.5時間×60%=0.9315円 - 燃焼(弱)
0.2565円/h×4.5時間=1.15425円 - 点火2回:0.36855円×2=0.7371円
0.9315円+1.15425円+0.7371円=2.82285円
1か月(30日)あたり
2.82285円×30日=84.6855円
暖房期間(120日)あたり
2.82285円×30日=338.742円
ecoモードの場合の灯油代
1日(8時間)あたり
- 燃料消費量(最大)
0.449ℓ×90円/ℓ×2.5時間×60%=60.615円 - 燃焼(弱)
0.070ℓ×90円/ℓ×4.5時間=28.35円
60.615円+28.35円=88.965円
1か月(30日)あたり
88.965円×30日=2668.95円
暖房期間(120日)あたり
88.965円×30日=10675.8円
ecoモードの場合の暖房代の合計は?
1日あたり
電気代2.82285円+灯油代88.965円=91.78785円
1か月(30日)あたり
電気代84.6855円+灯油代2668.95円=2753.6355円
暖房使用期間(120日)あたり
電気代338.742円+灯油代10675.8円=11014.542円
ecoモードを利用して節約した場合の節約効果
1日あたり
156.24405円-91.78785円=64.4562円
1か月(30日)あたり
4687.3215円-2753.6355円=1933.686円
暖房使用期間(120日)あたり
18749.286円-11014.542円=7734.744円
あくまで計算上の結果ですが、ecoモードを使用すると1か月あたり約1900円、120日で約7700円の節約効果が得られるという結果に!
余談:灯油使用量はecoモードでどのくらい減るのか?
ecoモードの灯油使用量
1日あたり
最大(0.449ℓ/h×2.5時間×60%)+最小(0.070ℓ/h×4.5時間)=0.9885ℓ
1か月(30日)あたり
0.9885ℓ/日×30日=29.655ℓ
ecoモードONでの1か月に必要な灯油量は、18ℓ灯油タンクの場合「29.655ℓ÷18ℓ=約1.65回分」です。
1回の本体タンク給油で使える日数は「7.2ℓ÷0.9885ℓ/日=約7.3日」。ecoモードにすることで1週間は給油をしなくても大丈夫という計算結果になりました。
灯油使用量の節約効果は?
1日あたり
1.697ℓ-0.9885ℓ=0.7085ℓ
1か月(30日)あたり
50.91ℓ-29.655ℓ=21.255ℓ
1か月で灯油タンク1回分以上の灯油を節約できるという計算結果となりました。
寒い中、重い灯油を買いに行ったり給油をしたりする回数も減るので助かりますね
一工夫で石油ファンヒーターの暖房代を節約!
防寒対策で暖房代を節約する
部屋や自分の防寒対策をしっかりすれば、設定温度が低くても快適に過ごせるようになりますよ
補助暖房などを併用して暖房代を節約する
暖房代が安い補助暖房を併用することで、結果的に暖房代が節約出来ますよ。
私のおすすめNo1は、折りたたみタイプのパネルヒーターです。ニーズにピッタリだったので、リビング用にも追加で購入しました!
消費電力が少ないため電気代が安い、こたつのように使えて暖かい、収納場所を取らないコンパクトさなど、手軽で使い勝手が良い点が気に入っています。
パネルヒーターについての詳細は別記事で紹介していますので、ぜひそちらの記事も参考にしてみて下さいね。
ピンポイント暖房として極力弱運転で使う
これは一人でいる時や、食事中など一か所に固まって居る場合に我が家で行っている方法です。
一か所に集まっている時は自分達が暖かければいいので、石油ファンヒーターを出来るだけ近くに置き、温風が自分達に当たるようにしています。
それなら弱運転でも十分暖かいので、燃焼(強)で燃焼している時間を減らせますよ。
このように石油ファンヒーターをちょこちょこ動かして利用する場合は、石油ファンヒーター用のキャリーを利用すると簡単に動かせて楽ですよ。
我が家の石油ファンヒーター↓
わが家はすのこにキャスターを付けただけのDIYキャリーなので、動かし方によっては石油ファンヒーターがズレたりすることもあります。
DIYでも1000円弱のコストだったため、石油ファンヒーター専用のキャリーを買う方がコスパも良く、安全性も高いため安心だと思います。
部屋全体を暖めるなら置き場所は窓際!
暖かい空気は上へと移動し、窓際で一気に冷やされて足元に冷たい空気が流れてきます(コールドドラフト現象)。
この空気の循環によって部屋がなかなか暖まらず暖房効率も悪くなるという厄介な現象です。そうなると当然、暖房費もかかってしまいますよね。
そこで、窓際を背にして石油ファンヒーターを置けば、窓際から流れてくる冷たい空気が石油ファンヒーターから出る暖かい空気と一緒に上へと移動していきます。
そうすると、足元に冷たい空気が流れてこないので室内の上下の温度差が少なくなり室内が効率的に暖められるそうですよ。(下図参照)
出典:エコ生活「省エネで暖かく過ごす秘訣」 – 住まいるiタウン
※現在はこのページはありません
我が家は家具の配置とコンセントの位置の関係で窓際には置けないのですが、置く場所がある場合は試してみて下さいね